無題

「恋の話を、しようか(三上康明著)」を読む。
それがキーになった訳でもないが、香流の今までの恋の話を書いてみようと思う。


初恋(と呼べるもの)は、中学一年か、二年の時だったと思う。
基本(何の?)に違わず、告白はできなかった。彼女はそのまま中二の時に引っ越し、せめて出来た事は、彼女の生徒手帳にとあるメッセージを書いた事だけ。
高校生になってからは、今思えば好きだったのだろうが、その彼女には別の高校の彼氏がいた為、立場的には恋愛相談役としてそのまま卒業。
専門学校の頃も友人達(男女問わず)の恋愛相談役として一年を過ごし、二年目前半の授業とは関係ない講座でオリジナルアニメーションを作成した打ち上げの時か、単なる飲み会を友人宅でやった時に、皆が寝静まっっている明け方に、初めて告白された。これがある意味初めての彼女となる。元々というか、前から「ブーメランみたいな人」と好みのタイプを香流は言っているが、その源になったのが、この彼女と付き合った結果から導きだされた結論になる。この彼女とはおおよそ一年半弱付き合ったが、初めての付き合いでどうも香流自身を無意識に強く押し付けていたようで、彼女がアニメーションの仕事を辞め、実家へと帰ってから二ヶ月後くらいに別れの手紙が来た。その手紙の中の「私は人形ではありません」という言葉には激しく怒りを持ったように思う。香流も色々と時間を削って会う時間を作っていたのに、この言様は何だ、と。確か、河川敷に行き、手紙、写真の全てを燃やした記憶がある。今思えば、香流がどれだけ狭量だったのかが解るのだが、その頃はそこまで思考が回らなかった。
その後、アニメーション業界からコンピュータ業界へ転職したのだが、チャットやオフ会等では必ず恋愛相談役を担っていた。失恋した女性の相談を受けたり、好きな人のいる女性の相談にのったり、最悪は付き合っている彼氏と彼女の両方から相談を受けたりと、遍歴を繰り返す。振られて泥酔した女性をラブホテルで介護したりと、この頃の話題は尽きない。
そして出向先で、一人で行きつけのカクテルバーへ行こうと話した時、「ついて行っても良い?」と一緒についてきたのが前の彼女である。まさかその場で告白されるとは思いもしなかったが。一応、「香流と付き合うのは大変だよ?」と断りをいれたが、「構わない、頑張るから」と言う事で付き合い始めた。六年ばかり付き合い、別れた理由が「教会(一応彼女はプロテスタントと言っていたが、香流的にはどうみても統一教会)と香流、どちらが大事?)の質問に、「教会」と即答された時点で、ああ、もう無理だな、と香流から別れを切り出した。思うに、教会の信者の中に、別に好きな人でも出来ていたのだろう。そして香流からわざと別れ話を切り出させたのではないかと、今は思っている。
今は一人を満喫している。
因にエビふりゃー(本名「楽(かぐら)」)を飼い始めたのは、この彼女がウサギを飼っていた影響です。

と、久々に過去を振り返り、香流の恋の話をしてみた。



人の記憶というものは、コンピュータでいうフォルダまたはファイルの上書きに似ており、その当時は怒ったり呆れたりしたものだが、時間(つまりは上書き)が経つにつれ、思い出に変化するものだと実感。